今月のトピック~毎月更新中~

2019/05

領収書は捨てないで!医療費控除の受け方、教えます

花粉症、お子さんの風邪、コンタクトの定期健診……実は思った以上に医療費って、ちょこちょこと出ていくものです。「健康そのもので医者にかかったことがない!」という方はともかく、それなりに医療費がかかるなら、医療費控除をぜひ受けましょう。


医療費控除とは

一定の条件に当てはまる医療費を、一定額以上支払った場合に受けることができる所得控除を指します。つまり、税金の計算をする際に、基準となる1年間の収入=所得から差し引くことができるため、結果として税金が安くなるのです。

ここで、一定額と書きましたが、計算式を説明しましょう。
「医療費控除の対象=実際に支払った医療費の合計額ー保険金などで補填される金額ー(10万円またはその年の総所得金額が200万円未満の場合は総所得金額の5%にあたる金額)」です。なお、「保険金などで補填される金額」には、生命保険の入院給付金、高額療養費、出産育児一時金など、払い戻しや支給を受けた金額と考えてください。

また、医療費控除を受けるためには、還付申告を行う必要があります。この際に医療機関の領収書が必要となるので、必ずとっておきましょう。実際には、医療機関の領収書と確定申告書、源泉徴収票を用意し、翌年の1月1日から5年間の間に、還付申告を行います。

ちなみに、医療費控除を受ける際には、「自分の医療費」だけでなく、「生計を共にする家族の医療費」も含めることが可能です。つまり、配偶者、子、両親、祖父母の医療費も、「自分が生活費を出している」なら、合計することができます。しかし、たとえ一緒に住んでいても、「夫婦共働き」「すでに社会人として独立している」など、生計を独自に立てているなら、合計できません。

医療費控除の間違いポイント2つ

ここで、医療費控除について、間違いやすいポイントについて説明しましょう。

まず、医療費控除を受けるにあたっては、「いつ、その医療費を支払ったか」が重要になります。つまり、2019年度の医療費控除を受けようとする場合は、2019年度のうちに実際に支払ったものだけになるので、注意してください。2019年度に治療は受けたけど、支払が2020年度になるというケースの場合はNGです。

また、どこまでを医療費として扱うのかが問題となります。詳しい分類は国税庁のホームページにも書いてあるのですが、ポイントは「治療に当たるものかどうか」です。

参照 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm


例えば、人間ドックを受けても、異常所見が見つからなかった場合は、「治療」ではなく「予防」にあたるものとして、検査費用は医療費控除の対象外になります。しかし、異常所見が見つかり、医師の治療が必要となった場合は、「治療」に当たるため、含むことができるのです。なお、出産の場合は、妊婦検診費用・通院費用を医療費として扱うことができます。
「出産は病気ではない」とされ、妊婦検診費用が保険外診療とされているため誤解されがちですので、覚えておくといいでしょう。    

2019/04   

ふるさと納税のメリット・デメリット

特定の自治体に寄附をすると、返礼品がもらえ、しかも、確定申告・ワンストップ特例制度を使えば、税金の控除も受けられるーこれが、ふるさと納税制度です。
一見、いいことづくめの方に思えますが、実はデメリットもあることを覚えておきましょう。

ふるさと納税のメリット

まず、利用者側にとってのわかりやすいメリットとしては、「質の高い返礼品が手に入る」点が挙げられます。地域によって品物は様々ですが、食品(肉、魚、米、お酒)、生活必需品(ティッシュペーパー、洗剤)、旅行券(地元の有名旅館の宿泊券)など、種類も様々です。最近では、「お墓の掃除の代行」など、ユニークな返礼品も出てきました。

また、簡単な手続きで地方自治体への寄附ができるのもメリットでしょう。「ふるさとチョイス」などのポータルサイトから、ネットショッピングをする感覚で済ませられます。

このような簡単な手続きを導入しているため、ふるさと納税を行っている自治体側にとっても、税収が見込めるのです。さらに、地域ならではの特色を打ち出した返礼品を導入すれば、地域のPRにもつながります。

ふるさと納税のデメリット

デメリットについても考えてみましょう。まず、利用者側にとってのデメリットは、「どうすれば所得税・住民税の控除が受けられるかわからないことです。確定申告やワンストップ特例制度を利用すれば受けられるのですが、慣れていない人にとっては、その手続きすらもおっくうに感じられるでしょう。また、先に寄附をするのが前提となるため、一時的に金銭的な負担をしなくてはいけません。

一方、自治体側のデメリットとしては、「返礼品次第で税収が左右される」ことです。つまり、地域の特産品など、魅力がある返礼品を用意できる自治体なら、税収のアップが見込めますが、逆もあり得ます。

代表的なのが、東京都世田谷区です。報道によれば、平成29年度中のふるさと納税に伴う同区の減収額は41億円にも上りました。これは東京23区では最大の規模とのことです。

もちろん、国もこの状況を看過しているわけではありません。総務省は2019年度の税法改正案に、「返礼品額の比率を寄附額の3割までとする」「地場商品以外を返礼品としない」などの規制を盛り込んでいます。この規制が地域間格差の是正につながるか、注意深く見守っていく必要がありそうです。     

2019/03

「税制改正」
経営者注目!中小企業にやさしい税制の話

中小企業は依然厳しい状況

日本の経済は、緩やかながら回復傾向にあるといわれています。
一つの指標として、年間の日経平均株価を見てみましょう。
リーマンショックが起こった2008年の年間日経平均株価(終値)は8,859円56銭でした。
一方、2018年は20,014円77銭と、バブル期には遠く及びませんが、確かに上昇しています。

参照 日経平均プロフィル
https://indexes.nikkei.co.jp/nkave


それでも、中小企業にとっては、安泰とはいいがたい状況であるのは間違いありません。
東京商工リサーチの調査によれば、2018年(平成30年)の全国企業倒産件数は8,235件。
つまり、1年間で8,000社以上の会社が「つぶれている」わけです。

参照 2018年(平成30年)の全国企業倒産8,235件
http://www.tsr-net.co.jp/news/status/yearly/2018_2nd.html


中小企業者等に対する軽減税率の延長とは?

中小企業を取り巻く環境が厳しい現状は、税制にも反映されています。以前より適用されてきた「中小企業者等に対する軽減税率」が、さらに延長される運びとなったのです。ポイントをわかりやすくまとめました。

・ 中小企業者等の年所得800万円以下の部分に、法人税の軽減税率(15%)が適用される。
*本則税率は19%。
・ 当初は「2019年3月31日までに開始する事業年度」までの適用だった。
・ 「2021年3月31日までに開始する事業年度」までに延長された。

4%軽減されると、実際に支払う税金はだいぶ違うのはお分かりいただけるはずです。


ここで「中小法人って何?」という疑問がわくかもしれません。
中小法人とは、「期末資本金の額が1億円以下の普通法人」を指しています。
つまり、資本金が1億円以下なら、この軽減措置の適用を受けられると考えていいでしょう。

中小企業投資促進税制とは?

また、「新しい機械を導入したい」「パソコンのソフトをバージョンアップしたい」など、生産性を向上させるための取り組みを行う場合もあるでしょう。このように、多額の費用を支出が伴う場合は、税制上の優遇が受けられます。

中小企業投資促進税制と言って、一定の条件にあてはまる設備を取得・製作した場合に、取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除が選択適用できる制度です。1台160万円以上の機械装置、合計70万円以上のソフトウェアなどが対象となります。なお、この税制も、本来は「2019年3月31日までに開始する事業年度」までの適用でしたが、「2021年3月31日までに開始する事業年度」に後ろ倒しになりました。

これらの税制も上手に使い、生産性を高めつつ、働きやすい職場を実現するのが、経営を長続きさせるコツの一つでしょう。
もし、ご自身の会社がこれらの優遇措置を受けられるかどうか知りたい場合は、税理士等の専門家にご相談ください。

2019/02
自宅で24時間確定申告ができる!e-taxとは?

締め切り直前の税務署は……

確定申告を1度でも経験したならわかるかもしれませんが、期限直前の税務署は、大変混みあいます。確定申告をするだけで、一日つぶれてしまうのも珍しくありません。さらに、忙しく働いている方だったら、税務署に行く時間すら確保できないこともあり得るでしょう。「税務署に行かなくていい方法があれば……」と思うあなたに教えたいのが、e-Taxです。


e-Taxって何?メリット教えます

簡単にまとめると、「自宅などのパソコンから、確定申告をはじめとする申告・申請・届出・納税の手続きが行えるサービス」のことです。正式名称は「国税電子申告・納税システム」といい、2004年から開始されています。

メリットは、1)24時間手続きができる、2)書類の添付がいらない、3)計算ミスが起こらない、4)還付されるまでが速い、です。

1)についてですが、確定申告の期間中は、24時間e-Taxのシステムを使うことができます(ただし、メンテナンス期間を除く)。

2)についてですが、源泉徴収票や医療費控除に使う領収書などの書類は、必要事項を入力すれば、書類そのものを提出しなくていいということです。ただし、書類自体は5年間保存しておく必要があるので、気を付けましょう。また、すべての書類を添付しなくてはいいわけではないこともご注意ください。

3)についてですが、e-Taxに必要事項を入力すれば、税額を自動的に計算してくれるので、ミスがありません。必要事項を入力し忘れても、エラーが出るので気づけます。

4)についてですが、実際は申告した時期によってばらつきがあるものの、3~4週間程度で還付が受けられるケースが多いです。


e-Taxのやり方って?

e-Taxを使う際の一般的な流れを説明します

最初に、所轄の税務署(お住まいの近くの場合が多いです)に電子申告開始届出書を提出します。国税庁の公式ホームページからオンラインで手続きをするのも可能です。

なお、e-Taxを利用する場合、電子証明書が必要になります。これは「自分が書類を作成しました」という事実を証明するために使うものと考えてください。個人の方がe-Taxを利用する場合、電子証明書としてマイナンバーカードを使うのが一般的です。

手続きが完了すると、利用者識別番号等、必要事項が通知(オンライン発行、後日郵送)されます。これらの事前準備を済ませたら、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で書類を作成し、e-Taxにログインして、データを送信する流れです。添付書類のうち、提出が求められるものは、別途税務署に郵送してください。そして、納税すべき金額を、預貯金口座からの振り替え・インターネットバンキングなどで納税しましょう。最後に、納税証明書の交付手続を行えば、一連の手続きは完了です。     

2019/01

確定申告をしなかった人の末路


そもそも確定申告って何?

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得を計算し、それに対する税額を算出して、翌年の2月16日から3月15日までの間に申告・納税をすることです。
次に紹介する一定の条件に当てはまる人は必ず確定申告をしないといけません。
・ 年間の給与収入が2,000万円以上
・ 会社勤めをしているけど、副業での収入(株、FX、不動産投資も含む)の合計額が20万円を超えている
・ 公的年金、個人年金の雑所得を一定額以上受給している
・ 災害減免法により、税金の軽減措置が受けられる
・ 勤め先で年末調整をしていない 等
また、会社勤めをしていて、給料から税金が天引きされている(源泉徴収)場合は、確定申告は必須ではありません。しかし、医療費控除や住宅ローン控除を受ける場合、年末調整では対応できないので、確定申告を行う必要があります。

確定申告をしなかった人の末路

ところで、確定申告には「毎年3月15日まで」という厳密な期限が設けられています。
間に合わなかった、わざとしなかったなど、理由は様々ですが、仮に本来確定申告をすべき人が、期限内に確定申告をしなかった場合、何が起こるのでしょうか?ここでは、確定申告をしなかった場合に受けるペナルティについてまとめます。

1)無申告加算税
理由は何であれ、期限通りに確定申告書を提出しなかった場合、無申告加算税が発生します。
手続きが済んでいないことに対するペナルティです。原則として、納税すべき税額が50万円までの場合は15%、50万円を超える部分については20%を乗じた金額が、無申告加算税として追加で支払うべき金額となります。なお、税務署の指摘を受ける前に、自分から期限に遅れても申告をした場合は、無申告加算税の減額が受けられることも覚えておきましょう。

2)延滞税
一方、期限通りに税金を納めていないことについても、ペナルティが課せられます。延滞税と言って、法律で決められた納付期限の翌日から実際に納付した日までの日数に応じ、利息に相当する金額を払わなくてはいけません。

なお、延滞税税率ですが、2019年1月1日から12月31日の場合は、
・ 納期限までの期間及び納期限の翌日から2月を経過するまでの期間:2.6%
・ 納期限の翌日から2月を経過する日の翌日以降:8.9%
に設定されています。

3)ほ脱
わかりやすく言うと、「脱税容疑で逮捕される」ことです。所得税法第238条1項には、このような規定があります。

「偽りその他不正の行為により、第120条第1項第3号(確定所得申告に係る所得税額)に規定する所得税の額・・・につき所得税を免れ、又は・・・所得税の還付を受けた者は、10年以下の懲役若しくは 1000万円以下の罰金に処し、又はこれらを併科する。」

つまり、故意に確定申告を行っていない、過少申告をしたとみなされた場合は、脱税の容疑をかけられてもおかしくありません。

ここまでの話をまとめると、「確定申告をしなかったり、期限に遅れたりした場合、いいことは何もない」というのが事実でしょう。万が一、確定申告に間に合いそうにない場合は、一度税理士などの専門家に相談するのをおすすめします。

2018/12

年末調整が必要な理由を徹底解説!

11月の終わり頃に、「年末調整の書類を渡すので、期限までに戻してください」と経理担当者から声をかけられた……という経験が、会社勤めをされている方ならおありかもしれません。でも、年末調整って、なぜ必要かご存知ですか?その理由を徹底解説します。

その前に所得税と控除をおさらい

お勤めをしていて、給料をもらっている場合、その金額に応じた所得税を払わなくてはいけません。そして、所得税の計算にあたっては、1)給与所得控除、2)所得控除、3)税額控除の3種類の控除を受ける=金額を差し引くことができます。
まず、1)の給与所得控除とは、お勤めをしている人=会社員・公務員に認められている経費のようなものです。つまり、自分でビジネスをしている人=個人事業主の方が、収入から経費を差し引けるのと同じと考えましょう。
そして、2)の所得控除とは、家族を養う必要がある、病気になった、など、個人の事情によって税金の負担を軽くするために設けられています。
さらに、3)の税額控除とは、住宅ローン控除のように、計算された所得税からそのまま差し引ける金額のことを指します。

年末調整が必要な本当の理由

給料明細を見てみると、所得税が差し引かれているのがわかるはずです。しかし、これは正確な金額ではなく、あくまで勤務先が前年度の所得や情報をもとにして、概算で出したものに過ぎません。
そのため、勤務先は所得控除や税額控除に関する情報を集め、さらに正確な所得税額を計算する必要が出てきます。計算の結果、少なかった場合はさらに徴収しますし、多かった場合は還付される=払いすぎた分が返ってくるのです。つまり、納める税金の金額を年末に調整するためにやるのが、年末調整と考えてください。
なお、年末調整を受けるためには、1)給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、2)給与所得者の保険料控除申告書、3)給与所得者の配偶者控除等申告書の3枚の書類が必要です。
その他、生命保険に入っている場合は保険会社からの書類など、必要な書類があるので、一度経理担当に確認しましょう。
ちなみに、自分が控除を受けられることを知らずに過ごしてしまった場合でも、5年以内であれば還付申告を受けられます。税務署に行くと「所得税の更正の請求書」という書類をもらえるので、それに記入し、該当する年の証明書を添付して提出すれば大丈夫です。事前に一度税務署や税理士に相談してみるとさらに効果的でしょう。     

  2018/11   

【超重要】副業をする人なら知っておきたい税金の話

一つの基準は「年間20万円」

2018年に、厚生労働省により、モデル就業規則の変更が行われました。詳しい内容はここでは割愛いたしますが、これまで原則禁止とされてきた副業を、容認する方向で変更されたのが、大きな違いです。これをきっかけに、副業を始める方もいらっしゃるかもしれませんが、副業を始める前に知っておいていただきたいことがあります。税金の話です。
仕事をして、給料をもらったら、それに見合う税金(=所得税・住民税)を支払わなくてはいけません。会社にお勤めの方なら、税金周りの手続きは会社がやってくれるため、あまり実感がわかないでしょう。しかし、実態は給料から税金分が天引きされている(=源泉徴収)ため、しっかりと税金は払っているのです。
 ひとまとめに副業といっても、実際は
 株、FXなど金融商品への投資
 アパート経営などの不動産投資
 ライティング、スポットコンサルティングなどの業務受託
 Webサイトでのアフィリエイト
など、種類は多岐にわたります。しかし、どういう副業をしていたとしても、「年間の所得(=収益-費用、つまり、入ってきた収入からかかった費用を差し引いたもの)が20万をこえたら、税金を納めなくてはいけないのです。
 文字通り「お小遣い稼ぎ」程度ならともかく、ある程度軌道に乗ってくると、20万円はあっというまに超えてしまうかもしれません。確定申告の準備は早いうちから開始しておきましょう。何から手を付ければいいかわからなければ、税務署に行ってみたり、税理士などの専門家に相談したりするおすすめです。

「会社バレ」を防ぐには?

 副業をしている方の中には、「会社が副業を禁止している」「なんとなく気まずい」などの理由で、会社に副業をしていることを知られたくない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、住民税の払い方を変えることで、いわゆる「会社バレ」は防げます。副業にかかる税金の確定申告をする際に、住民税の支払いについて「普通徴収」を選択しましょう。書類の中に、「自分で納付(普通徴収)」という項目があるので、〇をつけてください。これを行うことで、住民税の納付書が自宅に郵送されるようになるため、(住民税の扱いがきっかけで)会社に副業が知られることはありません。
 しかし、税金経由で会社に副業が知られることはないといっても、本業に支障が出るほどのめりこんでしまうのは、本末転倒です。ご自身のワークライフバランスを考えながら取り組んでいきましょう。

2018/10

相続税が払えない!その時できることは?

ご存知の方も多いかもしれませんが、相続税は金銭納付=現金一括支払いを前提としています。
そのため、相続税が払える程度のまとまった現金を用意する必要がありますが、

 相続した土地が思うように売れない
 思っていたより相続税の額が多く、用意していた現金の額をオーバーしそう

など、どうしても期限までに払えないことだってあり得ます。
そうなった場合にできることとして「延納」と「物納」をご紹介します。

延納とは?

簡単にまとめると、「担保を提供したうえで、相続税を分割で納付すること」です。
本来の相続税の納期限または納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書や担保提供関係書類を添付して、税務署長に提出します。
ただし、延納したい相続税額が100万円未満かつ延納したい期間が3年以下であれば、担保は必要ありません。
なお、延納できる期間は、相続財産に占める不動産の割合によって異なります。
最長5年から20年(特定の森林については40年)と幅があるため、事前に確認しましょう。

物納とは?

先ほど触れた延納は、あくまで「分割だけど、現金で払う」ものです。
しかし、それでも現金が用意できないなどの理由がある場合に、申請を行うことで、現金の代わりに一定の財産で相続税を払うことができます。
これが物納です。ただし、もの=財産なら何でもいいわけではなく、「金銭交付が困難であり、延納によっても払えないと認められた」場合にのみ、物納が使えると考えてください。

なお、物納に使える財産の内容と順位は国がすでに定めています。
第1順位のものから先に使っていく、と考えてください。

 第1順位
国債、地方債、不動産、船舶

 第2順位
社債(特別の法律により法人の発行する債券を含みますが、短期社債等は除かれます。)
株式(特別の法律により法人の発行する出資証券を含みます。)
証券投資信託又は貸付信託の受益証券

 第3順位
動産

「無理かも……」と思ったら

延納も物納も、実際に行うには税務署長に書類を提出しなければいけないため、簡単にできることではありません。
相続税が支払えるほどの現金を用意しておくのが一番ではありますが、どうしても無理なことだってあります。
もし、「無理かも……」と思ったら、すぐに税理士などの専門家に相談しましょう。     

2018/09

消費税は10%に!併せて知りたいマイホームの話

ところで、いつから10%に?

「消費税率が10%に引き上げられる」という話をご存知の方は多いでしょう。
でも、「2019年10月1日から」と即答できる人は、それより少ないかもしれません。
現行では「消費税6.3%+地方消費税1.7%」の8%ですが、
これが「消費税7.8%+地方消費税2.2%」の10%になります。
事業を営んでいる方は、税率の変化を見据えて、会計システムの見直しなどを早めに行いましょう。
特に、軽減税率が適用される業種(飲食業など)の方は、計算の仕組みや対象品目も含め、流れを把握するのをおすすめします。

時期をいつにするかがポイント

また、消費税が増税される前に、マイホームの購入を検討されている方もいらっしゃるでしょう。ここでポイントになってくるのは、「いつ、契約を締結するか」です。
「2019年3月31日までに契約を締結すれば、
引き渡しが2019年10月1日以降でも、消費税率は8%が適用される」
と覚えておけば十分でしょう。

ここでもう一つ知ってほしいことがあります。マイホームを購入するためにご家族から資金の贈与を受ける場合(=住宅取得資金の贈与)、贈与税が非課税になる制度があります。
実はこの制度の扱いも、「契約を締結した時期」によって、非課税になる金額が違ってくるので、覚えておきましょう。

簡単にまとめてみました

わかりやすくするために、
簡単にまとめてみました。

マイホームを購入するときは、
「いつ、契約を締結するか」も大事になってきそうですね。


1)消費税が8%の物件の非課税枠

2016年1月1日~2020年3月31日  
・700万円(一般住宅)
・1200万円(一定基準を満たす住宅)

2020年4月1日~2021年3月31日
・500万円(一般住宅)
・1000万円(一定基準を満たす住宅)

2021年4月1日~2021年12月31日 
・300万円(一般住宅)
・800万円(一定基準を満たす住宅)

2)消費税が10%の物件の非課税枠
(2019年4月1日以降)

2019年4月1日~2020年3月31日 
・2500万円(一般住宅)
・3000万円(一定基準を満たす住宅)

2020年4月1日~2021年3月31日 
・1000万円(一般住宅)
・1500万円(一定基準を満たす住宅)

2021年4月1日~2021年12月31日 
・700万円(一般住宅)
・1200万円(一定基準を満たす住宅)

ちなみに、「一定基準を満たす住宅」とは、
次のいずれかを満たす住宅です。


・断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上
・耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上または免震建築物
・高齢者等配慮対策等級3以上

どういうことをすれば条件を満たすかは、
不動産会社など、専門家に相談してみましょう。

2018/08

デジタル遺品に要注意!今できることは?

結構面倒くさいですよ?

今や、どんな年齢の方でも、スマートフォンやタブレット、パソコンを持っているのは珍しくなくなりました。
これらの道具を使い、大切な写真を保存したり、昔からの友達と交流したり、はたまた、昔なら銀行や証券会社の窓口に行かないとできない手続きをしたり、という方もいるでしょう。
でも、考えてみてください。
それって、あなたが元気だから、問題なく使えているのではありませんか?
失礼ですが、あなたに万が一のことがあれば、パスワードがわかる人がいない限り、結構面倒くさいことになるのです。
このように、スマートフォンやタブレット、パソコンそのものや、それらのデジタル機器を介さないと使えない遺品を、デジタル遺品と言います。

ネット銀行・証券にはご注意

ご存知の方も多いはずですが、大切な方が亡くなり、銀行にその旨が知られてしまうと、その方の銀行口座は凍結されてしまいます。
これは、「遺産をどう分けるかが決まってない段階で、遺産が好き勝手に使われないように」という意味で設けられている制度です。
しかし、現実的には、葬儀の準備や何やらでまとまったお金が必要になるのは珍しくありません。
お別れの時が近づいていたら、準備を始める方もいるでしょう。
このとき、店舗を構えている銀行なら、ご遺族が印鑑と手帳を持って銀行の店舗に行けば、お金を引き出すことはできます。
しかし、大切な方が、ネット銀行に多額のお金を預けていた場合注意が必要です。
ネット銀行は通帳がない場合注意がほとんどなので、個人用サイトにログインできないと、いくらお金があるかもわかりません。
同じ理由で注意が必要なのが、ネット証券です。
例えば、ネット証券の講座にたくさん株式などの金融資産を持っていたものの、その事実を家族が知らないのは、十分にあり得ます。
相続が開始してからすぐにわかったならともかく、相続税の申告期限ギリギリの場合にわかったなら、相続財産の金額が変わってしまうおそれがあるの、で要注意です。

事前の準備が大事

こういう事態を防ぐには、「万が一のときはこれを見てほしい」というリストを作ることです。
エンディングノートは理想ではありますが、パソコン、スマートフォン、タブレットなどの電子機器や、ネット銀行・ネット証券などの金融機関のオンラインサービスに関する情報は一覧にしておくといいでしょう。
また、金融機関ではありませんが、SNSを使っている場合も注意が必要です。連絡用のためにアカウントを残してほしいのか、削除してほしいのかを含め、ご家族と話し合うのをおすすめします。
     

2018/07

高価なプレゼントに注意?!知っておくべき贈与税のあれこれ

プレゼント=贈り物にも税金はかかる

「子供の大学合格祝いに、車を買ってあげようと思うんだけど……」このように、ご家族の間で高価な贈り物をすることはあり得るでしょう。しかし、一つ注意していただきたいことがあります。
贈り物の金額が一定以上を超えたら、「贈与税」と言って、税金がかかるのです。さらに、課税方法=どうやって税金を計算し、払うかについても、「暦年課税」と「相続時精算課税」という2つの制度があります。

暦年課税とは?

暦年課税とは、1年間に贈与を受けた財産の合計額を基にして贈与税の額を計算し、課税する方法のことを言います。なお、暦年課税を用いる場合、基礎控除額は毎年110万円です。
簡単に言ってしまえば、1年につき110万円までの贈与なら、贈与税は払わなくていいことになります。
なお、具体的にいくら贈与税が課せられるかを計算するにあたっては、適用される税率が密接にかかわってきます。実は、「誰が誰からもらうか」によっても、税率が違うのです。
直系尊属(父母、祖父母など)以外の贈与者(=あげる人)から贈与を受けた場合や受贈者(=もらう人)の年齢が20歳未満の場合は「一般税率」、直系尊属である受贈者から贈与を受け、かつ、受贈者の年齢が20歳以上の場合は「特例税率」が適用されることを覚えておきましょう。

相続時精算課税とは?

一言でまとめてしまうと、「贈与したときに贈与税を払い、贈与者がなくなった時には、贈与財産を含めて相続税を計算し、計算された相続税といったん支払っていた贈与税との差額を支払う(または還付を受ける)」制度を言います。
相続税の仮払いとしての性質も強いため、暦年課税よりは利用できる人の条件が厳しくなっているのが特徴です。まず、贈与者は60歳以上の親または祖父母、受贈者は贈与者の推定相続人(現状のままで相続が開始した場合、相続権が生じるとされる人)である20歳以上の子または孫です。条件に当てはまる人の間で贈与を行った場合、2,500万円までの贈与には贈与税がかからず、2,500万円をこえる部分に20%の贈与税が課されます。
一度に多額の贈与ができるため、財産移転をスムーズに行うのに役に立つ制度です。しかし、一度この制度を選択してしまうと暦年課税には戻せないうえに、金額にかかわらず毎年贈与税を申告する必要があります。
さらに、贈与財産は相続時に物納できないため、場合によっては相続税が支払えないという事態を招くのです。

「どうすればいいのか」は事前に相談すること

一口に贈与税といっても、暦年課税を選択するべきか、相続時精算課税を選択するべきかは、状況によって異なります。ご自身だけでの判断も難しい場合もあるので、「どうすればいいのか」迷った時点で、専門家のアドバイスを仰ぐのも効果的でしょう。
     

2018/06 

 「金持ちケンカせず」は本当だった?

「金持ちケンカせず」とはよく言うけれど

昔から広く使われている「金持ちケンカせず」という言葉があります。この言葉を「金持ち=資産家はトラブルを起こしにくい」という意味で解釈し、本当にそうなのかを検証してみたいと思います。
トラブルといっても色々ありますが、ここでは「お金のトラブル」の一つとして、遺産分割を取り上げてみましょう。裁判所が発表している司法統計のデータを見たところ、面白い事実が浮かび上がりました。
平成28年のデータですが、「遺産分割事件のうち認容・調停成立件数(「分割をしない」を除く)」では、遺産価額ごとの遺産分割事件の数を集計しています。遺産分割事件の総数7485件のうち、遺産(相続財産)の価額が5,000万円以下の件数は、5,683件でした。
割合にすると約75%です。つまり、ケンカ=遺産分割事件のほとんどは、(失礼な言い方ですが)「金持ち以外の人」が起こしているといっても過言ではないでしょう。

金持ちはなぜケンカしないのか?

遺産分割事件のデータからもわかるように、相続財産の金額が少ない場合でも、十分にトラブルは起こり得ます。「うちはそれほどお金があるわけでもないから、大丈夫だよね」と油断していると、あとが大変になる可能性もあるのです。
逆に、金持ち=ある程度の相続財産を有している場合は、事前に対策を講じています。
将来紛争が起きないように、あらかじめ税理士などの専門家に相談するのは珍しくありません。
誰だって、ケンカはできることならしたくないはずです。相続トラブルという「家族最大のケンカ」を避けるためにも、事前にできることはやっておきましょう。

まずは「話し合い」から

相続トラブルを避けるための第一歩は、「話し合い」です。できれば、家族が集まるタイミングを見計らって、相続の話を切り出してみましょう。
「死んだあとのことを話すなんて」と思うかもしれませんが、家族がもめてしまう姿を想像すると、もっとつらくなりませんか?伝え方には配慮が必要ですが、「家族が幸せに暮らすため」という点を強調すれば、応じてくださる方も多いのではないかと思います。
「そうはいっても、自分たちだけでは何を話せばいいかわからない」という方は、税理士などの専門家に一度相談してみてください。「どのタイミングで何をすればいいか」も含めて、的確なアドバイスをしてくれるはずです。

2018/05

土地の値段って、どうやって決まるの?

マイホームを建てるのを決めたり、大切な方を見送ったりした場合、土地の購入・売却も行うのは珍しくありません。でも、土地の値段って、どうやって決まるかご存じですか?

「一物四価」ってなんだ?

この文章をお読みの方の中には、「一物四価」と言う言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。わかりやすく言うと、「一つのものに対して、四種類の価格がある」という意味です。土地の場合、「一つの土地に対して、四種類の価格がつく」ことを指します。

具体的には
● 実勢価格
● 公示価格
● 相続税評価額(相続税路線価)
● 固定資産税評価額(固定資産税路線価)
の4つが含まれるので、それぞれについて解説しましょう。

実勢価格

わかりやすく言えば「時価」です。不動産会社とのやり取りなど、現実の市場において実際に取引が成立している価格を指します。

公示価格

国土交通省土地鑑定委員会が公表している、毎年1月1日時点での更地価格のことです。
「一般の土地の取引に対して指標を与える」「公共事業用地の取得価格算定の基準となる」ことを目指し、公表されています。土地取引の際の参考価格としても、広く用いられている数値です。
なお、公示価格は、国土交通省のホームページからも閲覧できるので、一度見てみましょう。

相続税評価額

相続税や贈与税の税額を計算するために使われるものです。先ほど紹介した公示価格の80%を目安に決定されています。
なお、相続税評価額は国税庁のホームページから閲覧できるので、こちらも併せてご覧になってみるといいでしょう。

固定資産税評価額

固定資産税、都市計画税、不動産取得税など、不動産に関連した税金を課税する際に基準となる評価額です。先ほど紹介した公示価格の70%を目安に決定されます。
ご自身の保有する土地等の固定資産税評価額は、課税証明書から確認できます。
固定資産税の納税通知書に添付されているので、届いた時点でチェックしてみましょう。なお、権利者であれば、市区町村の役場に行って固定資産税評価額を確認するのも可能です。
あなたが納税義務者、相続人であれば、権利者に当てはまります。

目的によって全く違うのです

ここまでお読みいただいた通り、土地の評価額は「どういう目的で使うか」によって、まったく違ってきます。
まず、土地の評価額を知りたい理由が何かを明らかにし、そこからリサーチを進めてください。ご自身だけではわからない場合は、専門家に相談するのをおすすめします。

2018/04     

「会社を作る」と考えたときに、済ませてほしい4つのこと

会社設立の基本的な流れ

「ビジネスを始めよう」と思った場合、個人事業主として始める場合もあれば、会社を設立して始める場合もあるかもしれません。
その際の基本的な流れを説明しましょう。
一般的には、次の6つのステップを踏むと考えてください。

1)基本事項の決定
2)定款作成
3)資本金の払い込み
4)登記書類作成
5)登記申請
6)登記後の各種行政などの手続き

このすべてのステップを詳しく説明すると大変です。
そこで今回は、会社設立登記を行う前に、最低限済ませておきたい準備についてお話します。

次の4つは必ずお済ませください

いざ、会社設立登記を行うとなると、かなり忙しくなりますが、最低限次の4つは済ませましょう。

1)商号を決定する
平たく言ってしまえば、会社の名前です。
基本的に、ご自身の好きな名前を使って構いませんが、次の2点にはご注意ください。

● 同じ住所に同じ商号が既にある場合は、登記できない。
● 銀行を営んでいるわけでもないのに「銀行」という名前を使うなど、混乱を招く名前は使えない。

2)印鑑を作成する
登記手続きを行うときには、申請書を提出します。
この際、会社の代表印が必要になるので、早めに準備しましょう。
長く使うものなので、定評のあるお店で作ることをおすすめします。

3)役員報酬額を決める
役員報酬は、原則として経費にはできません。
つまり、役員報酬をいくらにするか次第で、会社が払う法人税および代表個人が支払う所得税も変わります。

4)資本金の額を決める
株式会社の場合、最低資本金は1円となっています。
つまり、1円から株式会社が作れるわけですが、あまりに低すぎる資本金も考え物です。
本来、資本金とは株主を発行することで集めた資金を指しており、会社が業務を行うための元手になるお金です。
いきなり高額な資金を集めるのも難しいですが、さすがに少なすぎると何もできないのも事実でしょう。

実際の手続きは専門家におまかせしましょう

ここまでお読みになった方は、「事前の準備だけで、大変そう……」と思われたかもしれません。
しかし、どれも慎重にやらないと、会社設立にまで到底たどりづけなくなります。
会社設立手続きをスムーズに進めていくためには、税理士などの専門家の手助けがあった方が、心強いでしょう。
「会社を作る!」と決めたら、早い段階から専門家に相談するのをおすすめします。
     

2018/03

「会社を作りたい」と相談されたら……新創業融資制度を!

正直、金融機関からの融資は厳しい

「新しいサービスを世の中に送り出したい!」
「自分がやりたいことで、人を喜ばせたい!」
このような前向きな志がある方から相談を受けると、「何とかして力になりたい……」と思う方は多いのではないでしょうか。

しかし、現実的には「お金の壁」が立ちはだかります。相談してくださった方自身で用意できるなら問題はないのですが、そうでない場合、「お金をどうするか=資金をどう調達するか」が問題となります。

民間金融機関には期待できない

ここで覚えておいていただきたいのは、「銀行、信用金庫などの金融機関からの融資は、あまり期待できない」という点です。金融機関は営利事業である以上、「返済の見込みがあるかどうか」を最重要視します。そのために、過去の決算書や事業内容を精査し、厳正な審査を行うのです。

今まで事業を立ち上げた経験がない人が、金融機関から事業資金の調達を行うのは難しいでしょう。


日本政策金融公庫を活用しよう

そこで、「新しく一から事業を立ち上げられる人が利用できる融資制度」が必要となります。
この趣旨に基づき運営されているのが、日本政策金融公庫の創業融資制度です。
一言でまとめると、日本政策金融公庫の様々な融資制度を無担保・無保証人で利用できます。
担保や保証人を用意できない人でも、融資を受けられるのが大きなメリットです。
この制度を利用できるのは、次の3つの要件をすべて満たす人の身となっています。
● 新たに事業を始める、または、事業開始後税務申告を2期終えていない。
● 雇用を創出する見込みがある
● 創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる(※例外あり)
条件を満たしていれば、最大3,000万円まで資金調達ができるので、知っておくと便利です。

事業計画書などの書類がカギ

なお、新創業融資制度を使う場合、事業計画書などの書類に基づいて審査をします。そのため、書類に不備があったり、形式上の不備はないにしても、わかりにくい内容だったりした場合、審査において不利になります。一度審査に通らなかった場合でも、一定の期間を置いて書類を再提出すれば、審査に通る可能性はありますが、できれば一度で通った方がいいのは言うまでもありません。

そうなると、最初の手続きをどれだけ綿密に進めるかがカギとなります。書類を作成するのも含め、新創業融資制度を使う場合には、税理士などの専門家のサポートを受けながら進めるのが望ましいでしょう。
     

2018/02     

個人事業を始めたらすぐに提出したい2つの書類

「自分で独立してビジネスを始めよう!」と思ったとき、必ず済ませておく必要があるのが、税金周りの手続きです。
そこで、必要になる書類と提出方法について、解説しましょう。

個人事業の開業届
まず、ビジネスを始める=新たに事業を開始したときには、個人事業の開業届を納税地を所轄する税務署に提出します。
自宅で開業する場合は、最寄の税務署に提出すれば大丈夫です。
事業を開始してから1か月以内に提出しましょう。
国税庁のホームぺージから用紙をダウンロードして記入し、税務署に郵送するか、持参して提出すれば問題ありません。
もし、書き方がわからない、という場合は、一度税務署に出向き、職員の方に手伝ってもらいながら書きましょう。

青色申告承認申請書
個人事業の場合でも、得られた利益の額に応じて、所得税を支払わなくてはいけません。
会社員など、「どこかから給料をもらって生計を立てている人=給与所得者」とは違い、個人事業主の場合は、自分で納めるべき税金を計算し、申告しなければいけないのです。
この時、青色申告を選択すると、節税に非常に役立ちます。
つまり、事前に届け出を行い、複式簿記で帳簿を付けるだけで、次のような節税効果が期待できるのです。
1)赤字を3年間繰越できる
個人事業を始めても、最初からうまくいくわけではありません。
当然、赤字になることもありえますが、その場合、翌年以降に繰り越して、黒字と相殺できます。
2)貸倒引当金を設定できる
売掛金が回収できなくなる場合を想定し、まだ回収していない売掛金の一部を貸倒引当金として費用にできます。
費用が増えると、利益が減るので、税金も減るのです。
3)減価償却を一括計上できる
パソコンなど、高価格の備品を購入した場合、一般的には10万円以上になると、減価償却を行わなくてはいけません。
しかし、青色申告の場合は、30万円未満のものは一括計上できます。
1年で合計300万円まで可能です。
4)家族に給料を出せる
奥様(ご主人)などのご家族に仕事を手伝ってもらい、給料を出す場合、その給料(専従者給与)も経費にできます。
ただし、同時に青色事業専従者給与に関する届出書を提出しないといけません。

複式簿記は難しくない
これまで帳簿を付けたことがない方ならは「複式簿記って難しそう……」と思われるかもしれません。
しかし、今は初心者の方でも操作しやすい会計ソフトはたくさん出ているので、それを使えば、十分に青色申告はできます。
また、個人事業主の青色申告のサポートを行う税理士も多くなっていますので、「自分でできる自信がない」という方は、一度相談してみましょう。
     

2018/01

e-Taxってなに?使いこなすために知っておきたいメリット・デメリット

e-Taxとは?

こe-Taxとは、国税電子申告・納税システムの愛称で、インターネットを経由して申告から納税までを済ませられるシステムのことを言います。平成15年度から開始され、徐々に一般的になってきています。財務省の統計によると、所得税の申告の場合、平成28年度は約990万件がe-Taxを通じて行われていました

参照 http://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topics_kensu.htm

しかし、「e-Tax」という単語自体は知っていても、一体どんなメリット・デメリットがあるのか知らない方も多いかもしれません。そこで今回は、メリットとデメリットについて、しっかり解説しましょう。


e-Taxのメリット
e-Taxのメリットは、次の3つです。
1.自宅から24時間確定申告ができる
インターネットにつながっているパソコンさえあれば、確定申告期間中は24時間手続きが行えます。ただし、毎種月曜日の午前0時から午前8時半まではメンテナンスのため、利用できません。税務署に行く時間を省けるので、忙しい方にとっては重宝するシステムでしょう。
2.書類を提出する必要がない
税務署の窓口や郵送で確定申告を行う場合、添付書類を提出する必要がありますが、e-Taxではその必要はありません。ただし、後から入力内容の確認のために、必要に応じて税務署に提出・提示する可能性もあるので、手元に用意しておきましょう。ちなみに、国税庁のホームページに、提出を省略できる書類の例が記載されているので、参考になさってください。
参照 http://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/qa/kakutei/tempu01.htm
3.還付までのスピードが速い
一般的に、還付を受ける際に、e-Taxを使って電子申告した場合の方が、通常の書面提出による申告の場合より、処理までのスピードが速いといわれています。書面の場合が1か月程度であるのに対し、電子申告の場合は3週間程度で済むようです。ただし、実際にどれだけかかるかは、個々のケースによって異なる場合もあるので、ご注意ください。

e-Taxのデメリット
一方、次のようなデメリットもあります。
1.準備に時間とお金がかかる
e-Taxはやろうと思ってすぐにできるわけではありません。
公式ホームページによると、次の5つのステップを踏む必要があります。
1. 利用環境の確認
2. 電子証明書の取得
3. 開始届出書の提出
4. 利用者識別番号の取得
5. 各種ソフト等のインストールおよび設定、申告書・申請書の作成・送信
また、電子証明書の取得の際には、ICカードリーダライタが必要になります。(家電量販店などで3,000円程度で購入できます。)初めて取り組む場合は、システムを理解した上で設定を行う必要があるので、「思い立ったらすぐに始められる」ものではないことも理解しておきましょう。
     

2017/12     

相続は早めに動くのが大切!タイムスケジュールと注意点は?

年の瀬にふさわしい話題ではないかもしれませんが、ご家族が集まるタイミングだからこそお話ししていただきたいのが、相続の話題です。そこで、どなたかにご不幸があった場合、相続税周りの手続きはどう進めたらいいかは把握しておきましょう。


基本的なタイムスケジュール

ここで、ご不幸があったとき=相続発生時から、相続税の納付までの一連の流れを整理しておきます。

1)遺言書があるかを確認し、自筆遺言の場合は検認の申立てを行う。
2)金融機関などから、残高証明・相続届出書・債務承継申出書などの必要書類を入手する。
3)相続放棄をする場合は、相続発生時から3か月以内に相続放棄の申述書を被相続人住所地(=亡くなった方の最後のお住まいがあるところ)を管轄する家庭裁判所に提出する。
4)相続発生時から4か月以内に被相続人の確定申告(準確定申告)を行う。この際、相続人全員の署名・押印が必要。
5)遺産分割の協議を開始し、相続人全員で遺産分割協議書、相続税申告書、各遺産の名義変更書類への押印を行う。
6)相続開始時から10か月以内に、相続税申告書の提出・納税を行う。

他にも細かい手続きはありますが、大まかな流れを把握していただくために、主要な項目のみにしぼりました。いずれにせよ、10か月以内で相続税の申告・納付までこぎつけないといけないので、かなりタイトなスケジュールになります。


生前から相談をしておくのも大事

一度でも大切な方を看取った経験がある方ならお分かりかもしれませんが、人が一人亡くなると、案外やらなければいけないことは多くなります。
先ほど紹介した税金の手続きもそうですし、葬儀を執り行う場合や、法事を営む場合でも、葬祭業者との打ち合わせでかなり労力を使うのです。
さらに、亡くなった方が生前お世話になっていた方へのお礼や弔問の受付もしなくてはいけません。ここに、税金周りの手続きが加わってきたら……「相続が終わったとたん、寝込んだ」という方がいるのも不思議ではありませんよね。

だからこそ、ご家族が元気なうちに、相続のことも含め「万が一があったらどうするか」を話し合っておくのは重要でしょう。遺言書を作成してもいいですし、生前贈与を見据えて動いても構いません。そこまでやるつもりがなくても、エンディングノートを作るなど、できることから取り組んでみてはいかがでしょうか。
もちろん、相続税に強い税理士を見つけ、事前に相談しておくのも効果的です。
相続は、お金が絡む話でもあるので、一歩間違うと「争族」と呼ばれるトラブルにも巻き込まれます。大切な方を失った中でトラブルに巻き込まれるのは、相当精神的に堪えるはずですので、安心して過ごすためにも早めの対応を心がけましょう。     

2017/11

所得控除と税額控除の違いを教えて!

確定申告に初めてチャレンジする場合、見慣れない言葉に戸惑うかもしれません。その中でも、「所得控除と税額控除の違いがよくわからない」という方は多いのではないでしょうか?実は、実際の税額を決める上で非常に重要な意味を持ちますので、違いをしっかり押さえましょう。

所得税の計算方法をまずはおさらい
所得控除と税額控除について話す前に、まずは基本的な知識として、所得税の計算方法についておさらいしましょう。

まず、1年間の収入の合計額から必要経費および所得控除を差し引き、課税所得金額を計算します。そこに金額に応じた税率をかけた上で、税額控除をさしひいて、所得税額が決まる仕組みです。

つまり、簡単にまとめると
 所得控除:課税所得金額の計算にあたって差し引く項目
 税額控除:課税所得金額に税率をかけてから差し引く項目
となるのです。差し引く順番が全く違うことがお分かりいただけたでしょうか?

所得控除についてさらに詳しく!
所得控除について、さらに詳しく説明しましょう。現在の日本の税法では、次の13種類の所得控除が認められています。
 雑損控除:災害、盗難、横領などが原因で損害を受けた場合に控除できる。
 医療費控除:1月1日から12月31日までに支払った医療費について、一定の金額を控除することができる。
 社会保険料控除:自分または自分と生計を同じにする家族が支払った社会保険料について控除が受けられる。
 小規模企業共済等掛金控除:小規模企業共済法に基づく共済契約について掛金を支払った場合に受けられる。
 生命保険料控除:生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合に受けられる。
 地震保険料控除:地震保険料を支払った場合に受けられる。
 寄附金控除:国、地方公共団体、特定公益増進法人などに対し寄附金を払った場合に受けられる。
 障害者控除:納税者自身、同一生計の配偶者、扶養親族が障害者である場合に受けられる。
 寡婦(夫)控除:納税者自身がいわゆる「シングルマザー・ファーザー」である場合に受けられる。
 勤労学生控除:アルバイトをしていて一定の収入がある学生が受けられる。
 配偶者控除:納税者に対象となる配偶者(年間所得38万円以下)がいる場合に受けられる。
 配偶者特別控除:配偶者控除が受けられない場合であっても、配偶者の所得金額に応じて受けられる。
 扶養控除:所得税法上、対象となる扶養親族がいる場合に受けられる。
 基礎控除:誰でも受けられる。
「ひょっとして、自分はこの控除が受けられるのでは?」と思ったら、一度税理士にご相談ください。

税額控除は毎年チェックを!
一方、税額控除のうち、有名なものとしては配当控除や住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)があります。随時新しい項目が追加されている上に、要件も異なるので、税額控除を受けたい場合は事前に内容や条件をチェックしましょう。     

2017/11

確定申告の意味と具体的な流れ


確定申告とは?
一定の収入がある人は、1年間の収入から費用を差し引いて残った儲け=所得に応じた税金を払わなくてはいけません。この税金が所得税と考えるとわかりやすいでしょう。
会社勤めなどで、給料をもらっている人(給与所得者)は、会社があらかじめ給料に応じた所得税を計算して天引きしている(源泉徴収)ので、改めて自分で計算して納める必要はありません。
しかし、会社勤めでも副業をしている人や、自営業の人は、自分で納めるべき税金を計算し、期限通りに書類を提出して、実際に税金を納める必要があります。この一連の流れが確定申告と呼ばれていると考えるとわかりやすいでしょう。

確定申告の注意点
まず、どんな人が確定申告をしなければいけないのでしょうか?
代表的な例としては、
・ 給与収入が2,000万円を超える人
・複数の会社から給料をもらっている人
・会社勤めをしていて給料をもらっている(給与所得者である)ものの、他の所得の合  計が20万円を超える人個人事業主が挙げられます。


また、給与所得者であっても、医療費控除・雑損控除・寄附金控除などを受けたい場合は、確定申告を行うことで、還付が初めて受けられる仕組みです。
特に、最近は副業を解禁する会社も増えてきました。そのような会社に在籍していて、実際に副業をしている場合は、年間の儲け=所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要になります。
株やFX(外国為替証拠金取引など)の投資を行っている場合でも、それなりの利益が出た場合は確定申告をするつもりで動きましょう。実際に、投資で得た利益を申告しなかったという理由で、トラブルになるケースも多発しています。

確定申告の具体的な流れ
確定申告を行う場合、申告書を作成し、期限内に提出し、実際に税金を納めるのが必要になります。
まず、申告書の作成方法ですが、国税庁の公式ホームページの「確定申告書作成コーナー」を使うのが便利です。画面のガイダンスに従い、必要事項を入力していけば終わります。
出来上がったら印刷し、管轄の税務署に提出するだけなので、非常に簡単です。
また、所得税の確定申告は、毎年2月16日から3月15日までと期限が決まっています。
還付を受ける場合なら遅れてもさほど問題はありませんが、税金を納めなければいけない場合は、期限に遅れると延滞税などのペナルティが課されるので注意してください。
期限前は税務署や特設会場も非常に混みあいますので、早めに手続きを済ませることをおすすめいたします。     

2017/10

年末調整の意味・書類の書き方

11月から12月に入ると、会社でも年末調整の準備に入るはずです。初めて年末調整の対応を行う社員の方は、事前に勉強しておいた方がスムーズに進むでしょう。最低限押さえていただきたい知識をまとめました。

所得税の仕組みと年末調整の関係

そもそも、年末調整は何のために行うのかご存知ですか?会社から給料をもらったり、個人事業主として自分でビジネスをやったりして売上を上げた場合、それらの収入には税金=所得税がかかります。
自分でビジネスをやっている場合は、1年間の収入を合計した上で経費を差し引き、納めるべき税額を決定するために確定申告を行う決まりです。

しかし、会社勤めの場合は、給料から税金があらかじめ天引き(源泉聴取)され、会社がまとめて国に支払っています。そのため、自分自身で確定申告をする必要は基本的にはありません。

ただし、会社が天引きしている税金は、あくまで概算額に過ぎないことに注意しましょう。
実際には、扶養親族がいたり、生命保険や地震保険の保険料を支払っていたりなど、会社が把握しきれない原因で控除が受けられる場合もあります。

控除が受けられる場合、結果として納めるべき税金は安くなるので、年末調整という形で税金の額を計算しなおすのです。

書類の書き方をおさらいしよう

会社で年末調整を行う場合、ほぼすべての従業員に書いてもらうのが、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」でしょう。

「まるふ」という通称で呼ばれる場合もありますが、これは、用紙の右上に「扶」という漢字を〇で囲んだマークがついているからです。

そこで、この「まるふ」について、記載のポイントを解説しましょう。一番上のブロックは全員記載するので、ここを中心に説明します。

 所轄税務署長等:上には会社を管轄する税務署名を、下には記載する人が住んでいる市区町村名を記載します。会社を管轄する税務署名は、あらかじめ印刷して渡すと親切です。
 会社の名前・住所:会社が本社で集中して給与計算を行っている場合は本社の住所を書きます。支社ごとに行っている場合は支社の住所を書きましょう。これも、印刷して渡すと親切です。
 あなたの氏名:記載する人に自分の名前を書いてもらいましょう。
 印鑑:朱肉を使う印鑑を押してもらいましょう。インク式のゴム印(シャチハタ)は、「本人が押した」という証明力が弱いため、避けてもらった方が無難です。
 あなたの住所または居所:基本的には、住民票のある住所を書けば大丈夫です。しかし、住民票を移していない、単身赴任であるため住民票は別のところにある場合は、実際に住んでいる場所を住所として書いてもらいましょう。

2017/9

生命保険料控除

保険契約者必読!生命保険料控除とは?

ご自身、ご家族、お子さんのために生命保険に加入されている方は多いでしょう。当然、毎月保険料を払っているとは思いますが、手続きをちゃんと踏めば、税金が安くなるかもしれないことは知っていますか?つまり、生命保険料控除を使えば、所得税が安くなる可能性があるのです。今回は、この生命保険料控除について解説しましょう。

生命保険料控除とは?
所得税を計算する場合、1年間の総所得額から所得控除を行い、その金額に応じた税率をかけ、さらに税額控除を行うことで、最終的な税額が計算されます。

生命保険料控除とは、所得控除の一つで、一定の条件をみたす制保険や社会保険の支払額を所得から差し引ける仕組みです。

生命保険料控除の3つの種類とは?
実は、生命保険料控除は、保険の種類によってさらに次の3つに分かれます。

・ 一般生命保険料:民間の生命保険会社が提供する生命保険や各都道府県の共済組合が提供する生命共済に支払った保険料です。
・ 介護医療保険料:がん保険など、病気やケガで治療をした場合に保険金が支払われる商品に対して支払った保険料を指します。
・ 個人年金保険料:毎月一定額を積み立て、満期になったら年金として受け取れる商品に対して支払った保険料を指します。

なお、実際にどれだけ控除を受けられるかは、保険料の支払額やいつ契約した保険かによって異なります。計算方法も細かく決められているので、一度国税庁のホームページを見てみましょう。

参照:No.1141?生命保険料控除の対象となる保険契約等
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1141.htm

実際に生命保険料控除を受けるには?

では、実際に生命保険料控除を受けるにはどうすればいいのでしょうか?
会社員の場合と、自営業の場合で少し異なる点に注意しましょう。

<会社員の場合>
用意するものは、次の通りです。
・ 生命保険料控除証明書:保険会社から10月ころに送られてきます。万が一紛失した場合は再発行してもらうよう依頼しましょう。
・ 源泉徴収票;勤務先の総務・経理担当者から受け取ってください。

具体的な手続きですが、基本的には「給与所得者の保険料控除書」に生命保険料控除証明書から情報を書き写せば大丈夫です。
先ほど紹介した一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料について、保険会社名・保険の種類・保険料支払い期間・契約者名・保険金受取人、新旧の区分、その一年で支払った保険料の金額を記入しましょう。


<自営業の場合>
用意するものは、次の通りです。
・ 生命保険料控除証明書:すべての保険会社から取り寄せましょう。
・ 確定申告書B:国税庁のホームページからダウンロードできます。

具体的な手続きですが、まず生命保険控除証明書から年間に支払った保険料を書き出し、控除額を計算しましょう。その際、保険の種類ごとに金額を計算してください。

計算出来たら、その結果を確定申告書Bに記載しましょう。
実際は、会計ソフトに必要な情報を入力すれば、正確に計算してくれるので安心してください。